がんの画期的な治療法として、ワクチン治療が注目されています。
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」1月5日で取り上げられましたので紹介したいと思います。
がんのワクチン治療 画期的ながん免疫治療
がんの最新治療としてがん治療ワクチンを使ったがん治療が現在、研究開発中です。
これは、免疫の仕組みを使ったがん治療です。
研究している方は、日本人の方でVLP Therapeutics（セラピューティクス）社のCEO赤畑渉氏です。
赤畑氏は、東京大学を卒業後、アメリカの米国立衛生研究所（NIH）で博士研究員として１０年在籍後、VLP Therapeuticsという会社を立ち上げた方です。
そもそもワクチンとは？
病原体（ウイルス）が体内に入ると、細胞内で増殖して病気に感染します。そうすると人は、病原体の抗原から抗体を作りだします。この抗体が、抗原と結合して病原体を排除します。この原理を応用したのがワクチンです。
ワクチンは、無毒化あるいは弱毒カ化した病原体（ウイルス）です。これを体内に注入することで、この病原体に対しての抗体が作られます。
これにより本物の病原体（ウイルス）が入ってきても抗体によって排除することができ、病気の発症を予防したり、軽症で済ませることができます。
今回のがん治療は、このワクチンの仕組みを利用したものです。
赤畑氏の会社では、ウイルスの中の遺伝子を取り除いたウイルスの殻（VLP）を作る独自の技術をもっています。さらにこのウイルスの殻に抗原を付けることにも成功しました。
これにより、副作用なしのワクチンが作ることが可能となりました。
抗原にがん抗原を付ければがん治療ができるということです。
■ワクチン治療ののメカニズム
ウイルスの殻（VLP）にがん細胞の抗原をつけてワクチンを作る
↓
ワクチンを体内に注入する
↓
抗体がたくさん作られる
↓
抗体ががん細胞を攻撃する
↓
がん細胞が消滅
■ワクチン治療の効果は？
マウスよる実験では、乳がんと大腸がんの２つのがんでは、共に完全にがんが消える結果になったといいます。効果は期待できるようです。
■ワクチン治療のメリットは？
様々ながんに対応でき、その費用も比較的安価で済むところだといいます。
人の体は、１億以上の抗体を作る能力があるので、どんながんでもその抗原を入れれば、そのがん抗原に応じた抗体が体内で作られます。つまり、様々ながんに対応することができます。
治療費は、まだ具体的に決まっていませんが従来の治療よりも安価な費用で行えるといいます。
現在、有望ながん治療薬として注目されているオプジーボ(ニボルマブ)は、とても高額な薬です。このオプジーボも抗体の一種なので、これもこのワクチンで行えば、体内で作ることができるといいます。
■ワクチン治療の実用化はいつ？
現在は、マウス用に作られているので、人間用に作りなおす必要があります。
実用化は、５～６年後を目指しているそうです。
最近は、がん治療薬オプジーボや光免疫療法など、免疫の仕組みを利用したがん治療が注目されています。将来、このような免疫治療ががん治療の第１選択になる日も来るかもしれないといいます。
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