TBSテレビ「ゲンキの時間」で、コレステロールについて放送されましたので紹介します。
解説:東京女子医科大学 医師 市原淳弘先生
コレステロールの役割
コレステロールには、悪玉と善玉があって悪玉コレステロールは減らすように、善玉コレステロールは増やすようにしたほうがいいと言われます。
でもこのコレステロール、一体どうしたら増やしたり、減らしたりできるのか、いまひとつよくわかりません。
まずは、2つのコレステロールの役割です。
LDLコレステロールはコレステロールを体の細胞内に配る役割をします。
HDLコレステロールは余ったコレステロールを回収する役割をします。
LDLコレステロールが増えすぎると、血管内にコレステロールがたまり、プラークができやすくなり脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。
そのことからLDLは悪玉と言われ、コレステロールを回収してくれるHDLは善玉と呼ばれます。値よりもLDLとHDLの比率が重要だといいます。
LDL(悪玉)コレステロール/HDL(善玉)コレステロール=2以下が正常値
3以上は危険域、2~3は注意
LDL(悪玉)が基準値を超えていても、HDL(善玉)が高くて比率が2以下なら問題はないとのことです。
LDL(悪玉)コレステロールが高くなる原因
これまで、コレステロールのとり過ぎはよくないと言われていましたが、2015年アメリカでは、コレステロールの摂取制限の必要はないという報告が、日本でもこれまで摂取制限値を設けていましたが、2015年には算定されなくなりました。
これは十分な科学的根拠が得られなかったため、目標量の算定は控えることにしたということでした。
コレステロールの多い食品を食べてもコレステロール値が上がる人と上がらない人がいるといいます。
実は、人のコレステロールは約3割は食べ物から、残りの約7割は肝臓で合成されるといいます。
そのためコレステロールの摂取量が増えると、人は肝臓でコレステロールを作る量を減らし調整するといいます。
ではなぜコレステロールを調整する能力があるのにコレステロールが高い人がいるのか?
それには、次にような様々な原因があるといいます。
原因1:食べ過ぎ・肥満
食べ過ぎるとアセチルCoAが増えてしまい肝臓でコレステロールを作り出してしまうためです。肝臓でコレステロール量が調整できなくなりLDLを増やす原因になります。
内臓脂肪がたまる肥満もLDLを増やす原因になります。
原因2:飽和脂肪酸(動物性脂肪)
食べ物の中では、コレステロールを多く含む食品よりもバターや肉の脂などの飽和脂肪酸はLDLを増やす原因になります。乳製品も動物性脂肪が多く含まれるので注意が必要です。
原因3:運動不足・睡眠不足
運動不足・睡眠不足は、体の代謝が落ちてしまいエネルギーが蓄積しやすくなるためLDLを増やす原因になります。
原因4:飲酒・喫煙
飲酒・喫煙は、LDLを増やす原因と言われています。
原因5:閉経
女性の場合、閉経になるとエストロゲンというホルモンが減ります。エストロゲンはLDLを取り込み分解を助ける働きがあるので、減少することでLDLを増やす原因になります。
若い頃と同じような食事や運動不足になるとLDLが増える傾向にあります。
原因6:体質
食事のコレステロールの吸収率が非常に良い人が日本人の約3割いると言われています。この体質的に吸収が良い人はコレステロールの多い食品には注意が必要です。
コレステロール改善法
改善法1:ウォーキング
ウォーキングなどの有酸素運動は、HDL(善玉)コレステロールを増やすのに効果的です。HDL(善玉)は血管内のプラークも除去してくれます。
目安は、脈が上がるスピードのウォーキングを40分~1時間。
改善法2:酒粕
コレステロール改善の食べ物は、大豆食品や青魚などがありますが、オススメは酒粕です。酒粕のタンパク質には、小腸で余分なコレステロールを排除しLDL(悪玉)を下げる働きがあります。
板状の酒粕を軽く焼き、オリゴ糖やハチミツをかけたものがオススメです。
酒粕は、1日50gが目安。甘酒でもOK。