NHKテレビあさイチ6月14日で肩こり・腰痛の改善やかけっこも速くなるという新しいストレッチ、拮抗筋ストレッチが取り上げられましたので紹介したいと思います。
腰痛を改善させる拮抗筋ストレッチを教えてくれる方は、腰痛改善のスペシャリスト 徳島大学 大学院 整形外科医 西良浩一先生です。
西良浩一医師のプロフィール
徳島大学運動機能外科学(整形外科) 教授
1988年 徳島大学医学部卒業
1994年 徳島大学大学院修士・博士(医学)授与
1995年 米国アイオワ大学脊椎センター留学
2010年 帝京大学医学部附属溝口病院 准教授
2013年11月 徳島大学運動機能外科学(整形外科) 教授究極の脊椎全内視鏡FED(局所麻酔・8ミリ切開)による新しい治療法の開発・確立に取り組んでいる。また、スポーツ選手の腰痛治療にも内視鏡を中心とした低侵襲治療を応用しており、多くのオリンピック選手やプロ野球選手の診断と治療を行っている。
拮抗筋ストレッチとは?
まず拮抗筋ですが、あまり聞き慣れない言葉ですが筋肉運動の時に反対の動きをする筋肉のことを指します。
例えば二の腕の場合なら二の腕の裏側である上腕三頭筋と二の腕の表側である上腕二頭筋のことです。この時、二の腕の裏側を伸ばそうとストレッチするよりも二の腕の表側を縮めることを意識したほうが、二の腕の裏側がしっかり伸ばすことができるといいます。
この拮抗筋を使ったストレッチのことを拮抗筋ストレッチと呼びます。
力こぶを作れば、裏側がしっかり伸ばされるという感じでしょうか。
拮抗筋ストレッチで腰痛改善
太ももの後ろの筋肉が硬いと、前屈をした時に骨盤が動かないので背骨から曲がり腰に負担がかかります。ことため腰痛になりやすくなるといいます。
拮抗筋ストレッチによって太ももの前側の筋肉を縮めて、太ももの後ろの筋肉を伸ばすことで、太ももの後ろの筋肉が柔らかくなり、前屈をした時に骨盤も傾いてくれるので腰の負担が減り、腰痛が改善できるということです。
このストレッチは、腰痛の予防としても効果的です。
腰痛にはいろんなタイプがあると思いますが、このストレッチは前屈をして手が床に付かない太ももの後ろの筋肉が硬い人に有効な拮抗筋ストレッチかと思います。
<やり方>
(1) 足を少し開き、しゃがむ。(2) 首の後ろを持つ。
(3) 太ももとおなかを離さないようにしてヒザを伸ばし10秒間キープ。
目安:朝晩10秒間×5回 息を止めずに行う
無理にヒザを伸ばさなくても十分効果が期待できるので無理に伸ばさないこと。
※腰に痛みが出る場合は中止してください。
<ポイント>
ポイントは、太ももとおなかを離さないようにすることです。こうすることで太ももの前の筋肉を縮めた状態をキープでき、太ももの後ろの筋肉をしっかり伸ばすことができます。
今回、腰痛で太ももの後ろの筋肉が硬いという女性の方に、この腰痛改善の拮抗筋ストレッチを行ってもらいました。
開始前 | 5セット後 | 10日後 | |
---|---|---|---|
前屈 | -11.3 | -4.2(-約7cm) | +13.4(-約24cm) |
5セット行うだけで前屈の値が大きく変わるという即効性があるようです。
腰の痛みは少し軽くなったそうです。
拮抗筋ストレッチで肩こり改善
肩こりを改善させる拮抗筋ストレッチを教えてくれる方は、肩こり改善のスペシャリスト アスレチックトレーナー 本橋恵美さんです。
肩こり改善の拮抗筋ストレッチは、拮抗する筋肉を意識した猫のポーズが有効です。
<やり方>
(1) おなかの筋肉に力を入れて、おへそを背骨に近づけるようにへこませるドローインをする。
(2) ドローインのまま、手は肩幅に、ヒザは腰の下にくるように四つん這いになり、足の指を立てる。
(3) 息を吐きながら、背中を動かして骨盤を起こし、背骨を丸める。 へそをのぞき込むように頭を下げ、丸くて高い背中を作る。
(4) 息を吸いながら、へそが前を向くように骨盤を動かし、背中がなだらかなカーブを描くように目線を少し上に向ける。
目安:(3)と(4)の動きを1セットとして、1日10セット行う。
無理にヒザを伸ばさなくても十分効果が期待できるので無理に伸ばさないこと。
※腰に痛みが出る場合は中止してください。
<ポイント>
ポイントは、呼吸です。息を吐くとお腹の筋肉は収縮し、息を吸うと緩みます。そのため背骨を丸める時に息を吐くことでお腹の筋肉が収縮でき、より背中の筋肉を伸ばすことができます。背骨を反らす時はお腹の筋肉を緩めるため息を吸います。
今回、肩こりに悩む女性の方に、この肩こり改善の拮抗筋ストレッチを行ってもらいました。
開始前 | 10セット後 | |
---|---|---|
肩の筋肉の硬さ(左/右) | 35.6/69.2 | 42.9/35.7 |
左肩の筋肉の硬さは、高くなりましたが、右肩が約半分の硬さまで柔らかくなり、肩はかなり軽くなったそうです。即効性があるようです。
拮抗筋ストレッチでかけっこを速くする
かけっこを速くするる拮抗筋ストレッチを教えてくれる方は、かけっこのスペシャリスト 200mハードルアジア最高記録保持者 秋本真吾さんです。
拮抗筋ストレッチは、足の回転数を上げるものと歩幅を広げるものの2つです。
回転数を上げる拮抗筋ストレッチ
足の回転数を上げるには、つま先で着地することが重要です。そのために柔らかく保ちたい筋肉がふくらはぎです。回転数を上げる拮抗筋ストレッチとは、ふくらはぎを柔らかくするストレッチです。ふくらはぎを柔くすることで疲れにくく、むくみにくくすることも期待できます。
<やり方>
(1) 立った状態で、壁に手をつく。(2) 両足を、できる限り壁から遠くに離す。
(3) この状態で片足を前に出す。
目安:1回5秒間。1日左右それぞれ3回行う。
<ポイント>
ポイントは、足の前の筋肉であるすねの筋肉を力を入れること。ヒザを伸ばすこと。足の甲をすねに近づけること。つま先を上げること。つま先をまっすぐ前に向けること。これにより、よりふくらはぎの筋肉を伸ばすことができます。
歩幅を広げる拮抗筋ストレッチ
歩幅を広げるには、足の付け根の筋肉を伸び縮みするようにすることです。そうすると、足が高くなり、中高年のつまずき防止も期待できます。
<やり方>
(1) カーリングの投球ポーズのように、腰を少し落とした状態で、左右どちらかの足を前に出し、 逆の足はできる限り後ろに下げて、ひざを床につける。(2) 目線は、下を向かないよう、前を向くようにする。
(3) この状態のまま、お尻に力を入れる。
目安:1回5秒間。1日左右それぞれ3回行う。
※無理に腰を反らないようにしてください
<ポイント>
ポイントは、お尻の筋肉に力を入れること。そうすることで足の付け根の筋肉がしっかり伸びます。
秋本さんが、さらに速く走るコツ2つを教えてくれました。
1.壁に背中を付けて立ちそのまっすぐな姿勢を保ったまま走るということ。
2.足は自分の体の近くで強く踏み込むこと。
今回、小学生4人が、今回の2つの拮抗筋ストレッチと速く走るコツを教わり、20メートル走を行いました。その結果、4人全員のタイムが速くなりました。
一番速くなった子は、回転数も歩幅も大幅にアップして-0.41秒も速くなりました。
拮抗筋をうまくストレッチすることで様々な効果が期待できるようです。
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