テレビ朝日「たけしのみんなの家庭の医学」(3月3日)で、いま注目の腸内フローラについて取り上げられました。
腸内フローラについて教えてくれるのが慶応義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科 伊藤裕医師です。
腸内フローラが太りやすさの原因に大きく関係
ちょっと食べても太る人、たくさん食べても太らない人、人には太りやすい人と太りにくい人がいます。この太りやすさの原因の一つが腸内フローラにあることが分かってきたといいます。
番組では、ほぼ体型・年齢が同じ太りやすい女性 島崎さん(53歳)と太りにくい女性 佐藤さん(53歳)に3日間同じものを食べる実験を行いました。
<結果>
開始前 | 3日後 | |
---|---|---|
太りにくい佐藤さんの体重 | 57.15kg | 57.05kg(-0.1kg) |
太りやすい島崎さんの体重 | 52.25kg | 53.15kg(+9.0kg) |
わずか3日間で約1kgの差が出ました。
太りやすい体の原因は、腸内細菌のバランスが崩れることにあるといいます。
腸内細菌の数は100兆個以上。腸内細菌は人が消化できない栄養分を分解して吸収できるようにしたり、ビタミンやたんぱく質の合成をしたり、人にとっては大切な存在だといいます。
腸内細菌は大きく3つに分けられます。
■善玉菌(ビフィズス菌 乳酸菌など)
エネルギー吸収をコントロールしたり腸のぜん動運動を促すなど人にとって良い働きをする。
■悪玉菌(大腸菌など)
食物などを腐敗させたり時にはがんの原因になる。
■その他の細菌(日和見菌)
その時の環境によって善玉菌にも悪玉菌にもなる。
3つのグループの1000種類以上の腸内細菌が腸に広がっている様子を腸の中のお花畑、腸内フローラを呼びます。この腸内フローラの状態が太りやすさに大きく関係していることが分かってきたといいます。善玉2:悪玉1:その他7の割合が理想と言われます。
腸内細菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増えるとぜん動運動が弱まり便秘になり、エネルギー吸収のコントロールも崩れ太りやすくなると考えられるそうです。
なぜ腸内細菌のバランスが崩れるのか?
腸内細菌のバランスが崩れる大きな2つの原因。
加齢
赤ちゃんの腸内細菌はほとんどが善玉菌で便のニオイがほとんどしない。
加齢とともに悪玉菌が増えて便がニオってくる。
加齢とともに新陳代謝が悪くなるので善玉菌が育ちにくくなると考えられる。
高脂肪食
高脂肪食は悪玉菌が好きな食べ物。動物性脂肪は悪玉菌を増やす原因。
便が臭くなったら腸内細菌のバランスが崩れている可能性がある。
ただし、悪玉菌もある程度必要でバランスよく存在することが重要。
腸内細菌のバランスが崩れると花粉症リスクも高くなる
免疫細胞の約6割は腸に集中。腸内細菌のバランスが崩れると免疫細胞が異常をきたす。これにより花粉症、アレルギー性疾患のリスクが高くなるという。
他にもがん、動脈硬化、うつ病などの病気も関わっていると考えられている。
腸内細菌のバランスを改善するには?
よく言われるのが、発酵食品や食物繊維を摂ると良いといわれますが、もちろん効果的だといいます。現在100歳を超えて元気な百寿者の人が理想的な腸内フローラにあるのではないかと考えられています。
そこで百寿者の方から学ぶ3つの改善法が紹介
1:食事
たくさんの品目の食品を食べること
2:昼寝
食後、安静にすると腸に血流が集まり腸内細菌が元気に育つ
3:手先を使う作業(刺繍)
刺繍など手先を細かく動かす作業は脳を活性し、腸の動きも活性化、その結果腸内細菌のバランスをよくする。