TBSテレビ「ゲンキの時間」で正しい糖質制限、ロカボダイエットのやり方と効果について取り上げられましたので紹介したいと思います。
今回、解説してくれる先生は、糖質制限食に詳しい、北里大学 北里研究所病院 糖尿病センター長 山田悟先生です。
山田悟 先生のプロフィール
医学博士。北里大学北里研究所病院糖尿病センター長。
1994年、慶應義塾大学医学部卒業。
慶應義塾大学医学部内科学教室、東京都済生会中央病院、東京都国保南多摩病院、慶應義塾大学医学部内科学教室腎臓内分泌代謝研究室などを経て2002年に北里研究所病院へ、2007年5月より糖尿病センター長、2021年7月より北里大学北里研究所病院副院長。主な著書
『おいしく、楽しく食べて、健康に ロカボバイブル』(2015年 幻冬舎)
『糖質制限の真実 日本人を救う革命的食事法ロカボのすべ て (幻冬舎新書)』(2015年 幻冬舎)
ロカボダイエットとは?
最近、ダイエットで多くの人が行っているのが、ご飯やパン、麺類などの炭水化物を控える糖質制限ダイエットです。
日本では、2000年以降にブームとなっているダイエットです。
糖質制限は広がりを見せており、ファストフード店、回転寿司などの様々な食品業界でも糖質制限メニューが取り入れられています。
Q.糖質制限をするとなぜダイエットにつながるのか?
食事で糖質を摂ると血糖値が上がり、すい臓からインスリンが分泌されます。インスリンは体の様々な部分にエネルギーとして糖が取り込まれるのを助けます。
しかし、糖質を摂りすぎると、インスリンは糖を中性脂肪として体に貯めます。これにより内臓脂肪などが増えて肥満になります。
糖質を制限すれば、中性脂肪として貯めることがなくなるので肥満を防ぐことができます。
この糖質制限ダイエット、痩せられるだけでなく、様々な健康効果をもたらすダイエットだと言われています。
でも、間違った糖質制限ダイエットを行うと体に悪影響を及ぼすだけでなく命をも脅かす危険があるという報告もあります。
Q.間違った糖質制限ダイエットとは?
間違った糖質制限ダイエットとは、ご飯や麺類などの糖質を一切摂らないという極端な糖質制限ダイエットです。
このような食事は、確かに体重は減りますが、同時に疲れやすい、ふらつくなどの体調不良が生じ、そして最終的には骨粗しょう症に陥る可能性があるといわれます。
どうしてかというと、糖質制限することで、たんぱく質や脂質も不足しがちになるためです。
また、極端な糖質制限をすると、ケトン体が増えます。
ケトン体は脳を保護し、認知症予防に効果があると言われますが、ケトン体になる前の物質は、コレステロールになる前の物質と同じです。
そのためケトン体が増えると悪玉コレステロールも増える可能性があります。
つまり、糖質の摂り過ぎも良くありませんが、制限し過ぎも注意が必要なんです。
では、正しい糖質制限ダイエットは、どんなものかというと、緩やかに糖質を制限するというやり方です。
それが、ロカボです。
ロカボとは、緩やかに糖質(カーボ)を低く(ロー)抑え、適正な糖質量を食べるやり方です。
ロカボダイエットのやり方とは?
一般的に必要な糖質量は、1日300gですが、ロカボでは、1日の糖質量は70~130gに抑えます。
具体的には、ご飯などの主食の量をコントロールします。
食パン(6枚切り1枚) : 60g(糖質量約26g)
うどん(半玉) :120g(糖質量約26g)
玄米は、白米に比べ血糖値が上がりにくいですが、糖質量の面から言うとほとんど変わらないので玄米でも同じ量になります。
玄米、白米のお好きなものを選ぶことになります。
ご飯70g(糖質量25.8g)+ おかず(糖質量10g強)= 40g以下
この量をみると、炭水化物が好きな方には、とてもきついように見えますが、おかずになる肉や魚は、糖質が少ないのでお腹いっぱいになるまで食べてもOKです。
といってもおかずは、糖質を工夫する必要があります。
例えば、とんかつのソースは、糖質が多いです。ソースの代わりにレモンや塩で味付けすることで糖質が減ります。
他にもケチャップは糖質が多いので、糖質の少ないマヨネーズがオススメです。
魚の煮付けは、調味料で使うみりんで糖質が増えます。煮汁を減らすなどみりんを使った料理は、工夫が必要です。
果物は果糖が多く中性脂肪に置きかわりやすいと言われます。ぶどうは凍らせてゆっくり食べるなどして、量を減らす必要があります。
野菜は、ほとんどが低糖質で問題ありませんが、じゃがいも、さつまいも、かぼちゃは糖質が多いので注意が必要です。
とはいっても、ミックスサラダに入っている少量のものについては気にする必要はありません。あまり神経質になるとロカボダイエットも続かなくなるからです。
野菜は、食物繊維が豊富に含まれます。厚生労働省が勧める1日350g以上野菜を摂ることが重要です。
ロカボダイエットの効果は?
ロカボダイエットの一番の効果は、痩せるというダイエット効果です。
その他にも、2つの健康効果が期待できます。
1.老化防止効果
糖質を制限することで、シミやシワの老化の原因である糖化反応が、起きにくくなることが知られています。
また、ロカボの場合、内臓脂肪から痩せられます。筋肉や骨が減るのではないので見た目が老けることがありません。
2.睡眠の質の改善
睡眠の質の改善は、実際にロカボを行った人たちの結果から分かりました。
タクシー会社の従業員がロカボを3ヶ月行ったところ約6割の方が運転中の眠気が減ったという回答を得ました。
メカニズムは十分に分かっていませんが、眠気を覚ますオレキシンが減るのを防いでいると考えられますし、体重の減少によって睡眠時無呼吸症候群が改善されたという可能性もあります。
ロカボダイエットの本
今回、ロカボダイエットについて解説してくれた山田悟先生のロカボの本です。
ロカボダイエットの口コミ・評判は悪い?良い?
山田悟先生のロカボダイエットの本を購入して実際に行った人の口コミをいくつか紹介したいと思います。
■Tさん
緩やかな糖質制限ですが、体重は少ししか減りませんが、検査数値は改善しました。■Yさん ロカボはいいね!
この本に促され白米小麦砂糖を控えて3ヶ月で5キロ無理なく体重が落ちた。■Sさん いい話
糖質制限をストイックにするのではなく、ゆるい管理で摂取量を決めるだけ。まずは少し意識しながら実践していければと思います※個人の感想であり、効果効能を示すものではありません。
まとめ
ロカボダイエットのやり方・効果について紹介しました。
ロカボダイエットは、糖質の摂り過ぎも制限し過ぎも良くないという考えの下、緩やかに糖質制限をするダイエット法です。
ロカボダイエットを行うには、炭水化物の制限だけでなく、様々な食品にどれだけ糖質が含まれているのか、ある程度知識が必要ですね。
でも、極端な制限はしないので、やりやすいダイエットやり方といえますし、健康効果も期待できますので、魅力的なダイエット法ですね。