テレビ朝日「たけしのみんなの家庭の医学」4月3日で、つまずきの予防・改善法が放送されましたのでまとめてみました。
解説してくれた先生は、この分野のスペシャリスト 奈良県立医科大学付属病院 教授 北原糺先生です。
つまずきの原因は平衡感覚の衰え
年をとると増えてくるのが、つまづきです。何でもないところでつまづいたりします。
つまづいて転倒すると、骨折の危険性もあります。
高齢者の場合、骨折してしまうと、寝たきりにもなりかねません。つまづきは高齢者にとっては大敵なんです。
つまづきの原因は、様々ありますがその一つには筋力の低下といわれています。しかし、北原先生によるとそれだけが原因ではないといいます。
北原先生が転倒した患者を調べたところ、その多くに筋力の衰えとは関係ない身体のある部分の異常が見つかりました。
その身体のある部分の異常とは、加齢による内耳の衰えによる平衡感覚の異常でした。
そうなんです。平衡感覚の衰えがつまづきやすさを招いていたのです。
平衡感覚の衰えがあるかどうか、次の継ぎ足立ちテストで簡単にチェックすることができます。
■継ぎ足立ちテスト
<やり方>
(1) その場に立ち、気を付けの姿勢をとる
(2) 片方の足をもう一方の足の前に出す
(3) かかとをつま先につけ足を一直線に並べる
目を閉じ30秒キープできればクリア
30秒以内にふらつくと平衡感覚が衰えている可能性あり
平衡感覚は、どこで行っているのか?
耳の奥の内耳にある耳石器というところが平衡感覚を司っています。
耳石器は、小さい石が上に数万個のっている器官です。
身体の傾きを耳石器が感知して脳に伝えます。
この耳石器は加齢とともに衰えてきます。
それにより平衡感覚が衰えてくるわけです
つまづきやすさの予防・改善法
では、どうしたら平衡感覚の衰えを予防・改善ことができるのでしょうか。
北原先生によると、耳石器の衰えをカバーできる方法があるといいます
それが、耳石器30秒トレーニングです。
このトレーニングを行うと耳石器が鍛えられ平衡感覚が改善できることがわかってきました。
耳石器30秒トレーニングは、病院で行っているリハビリ法をアレンジしたものです。
やり方は、とても簡単です。
■耳石器30秒トレーニング
<やり方>
(1) 柱などの垂直な線を目安にする
(2) 頭を傾け15秒間キープ
(3) 左右それぞれ朝晩2回行う
頭を傾けることで耳石器が身体の傾きを感知する
その傾きの情報を脳に伝わる何度も頭を傾ける
↓
加齢で衰えた耳石器と脳をつなぐ神経を刺激
↓
平衡感覚が改善
■検証
今回、継ぎ足立ちテストで平衡感覚の異常ありと診断された夫婦(夫61歳、妻60歳)に耳石器30秒トレーニングを朝晩1セット3日間行ってもらいました。
再び、継ぎ足立ちテストを行ってもらったところ、どちらもクリアすることができました。
<検証前> <検証後>
夫 8秒 → 2分
妻 4秒 → 2分19秒
たった3日間で、こんなにも効果があるんですね。
これなら、継ぎ足立ちテストでクリアできなかったら、すぐに実行したほうがいいですね。