NHKテレビ「ためしてガッテン」10月14日のテーマは頭痛でした。頭痛ということですが、ガッテンでも過去4回取り上げられたテーマだといいます。では今回、何を新しく伝えたかというと予防という面からのアプローチです。頭痛といっても様々な頭痛がありますが今回は片頭痛が中心のお話です。
重度の片頭痛には予防薬
一般的に頭痛になると頭痛薬を服用します。これは今も間違っていません。軽い頭痛を時々起こす人は、これまで通り、頭痛薬を飲んで対処すればいいそうです。問題は重度の片頭痛を抱えている人です。それは一体どんな人かというと、以下のような症状がある方です。
■重度の片頭痛で予防薬が勧められる人
・月に2回以上の強い頭痛がある人
・仕事や学校を休むなど日常生活に支障がある
・アロディニア
アロディニアとは
通常であれば痛くはないはずの刺激を「痛み」と感じる症状で、 頭痛の前後に起こります。主に顔や頭などの頭部に発生するのが特徴で、「化粧をしたとき」「髪を触ったとき」「眼鏡をかけたとき」 「コンタクトレンズを入れたとき」「イヤリングやネックレスなどのアクセサリーをつけたとき」などに、ピリピリとした痛みが起こります。
該当する方は、専門の病院(頭痛専門外来・神経内科・脳外科など)に行って予防薬を処方してもらうことで、片頭痛が改善が見込めるということです。ただ、予防薬を飲んですぐに改善するわけではなく2ヶ月間は飲み続けないと効果は出ないそうです。またある程度回復したら服用はやめていいそうです。
ここで勘違いしてはいけないことは、一般に市販されている頭痛薬は、従来通り痛くなってから飲む薬だということです。予防薬は市販されているものはありません。病院で処方してもらう薬だということです。予防薬にはいくつか種類があるようですがそもそも市販の頭痛薬と成分が違うようです。予防薬に使われる成分は、以下のものだそうです。
片頭痛の予防療法に使用される薬剤にはβ遮断薬,カルシウム拮抗薬,抗てんかん薬,抗うつ薬などがあります.
www.jhsnet.org/information/guideline/
慢性頭痛治療ガイドライン市民版 片頭痛の予防療法より
頭痛予防法
慢性的な片頭痛にならないための頭痛予防法です。
頭痛体操
頭痛体操は、頭痛のスペシャリスト 埼玉精神神経センター センター長 坂井文彦先生考案の体操です。片頭痛の予防以外に緊張型頭痛にも効果がある体操です。なぜ、この体操が頭痛に効果があるのか、詳しいメカニズムは分かっていないそうですが、首周りのストレッチによって視床に良い影響を与えると考えられています。立った状態でも椅子に座っても行うことができる体操です。
■頭痛体操その1
(1) 両肘を曲げて水平に上げる
(2) 足を少し開く
(3) 顔は正面をむいたまま
(4) 体を左右に回す(2分行う)■頭痛体操その2
(1) 腕をリュックを背負うように前に回す
(2) 服を脱ぐように後ろに回す(6回行う)※片頭痛の人は頭痛があるときは悪化するおそれがあるので決して行わないでください。
頭痛体操の詳しいやり方・コツについては
日本頭痛学会の「頭痛体操について」のページを参考にして下さい。
www.jhsnet.org/ippan_zutu_know.html
鍼治療
鍼治療は片頭痛の治療法のガイドラインにも推奨されている方法です。神経を刺激して痛みに反応しやすい脳を元に戻す効果があるそうです。人によっては、週2回打つことで一ヶ月で頭痛の日数が減るそうです。
頭痛ダイアリー
頭痛ダイアリーをつけることで自分の片頭痛の誘因が分かってくるというものです。誘因が分かれば避けることで頭痛を減らすことができるということです。
誘因例(暑さ・人混み・強い光・チョコレート・ワイン・チーズなど)
頭痛ダイアリーは、日本頭痛学会からダウンロードできます。
www.jhsnet.org/dr_medical_diary.html
日本頭痛学会の慢性頭痛治療ガイドラインには、片頭痛予防に効果ある成分として次のように紹介されています。
自然食品やサプリメントとして使用されているものに片頭痛予防効果が示唆されているものがあり,マグネシウム,ビタミン B2 ,フィーバーフューがその代表です。処方薬による予防療法を希望なさらない場合には試みてもよいでしょう。
自然食品やサプリメントでも片頭痛予防に効果が規定できるものもありますね。