血液検査で認知症(アルツハイマー病)のリスクを判定
認知症の一つであるアルツハイマー病を血液検査で早期発見しようとする検査が登場しました。TBSテレビ「ひるおび」で取り上げられましたので紹介したいと思います。
日本は、4人に1人が65歳以上と超高齢化社会となってきてます。そこで問題となってきているのが認知症です。65歳以上の7人に1人が認知症患者と言われ、軽度認知障害(MCI)まで含めると4人に1人が認知症または予備軍だそうです。つまり日本人が16人いたら、うち1人が、認知症または予備軍だという計算になります。スゴイ状況になってきました。芸能界では、声優の大山のぶ代さんが認知症を公表したことは記憶に新しいところです。
認知症には、いくつかの種類があります。約半分を占めるものがアルツハイマー病と呼ばれるものです。アルツハイマー病は、近い将来、改善させる薬が出ると言われていますが、現在のところ発症したら薬によって進行を遅らせることはできますが、特効薬がない病気とされています。そのため早期発見、早期治療が重要だと言われています。
MCIスクリーニング検査とは?
今回登場したのがアルツハイマー病を血液検査で早期発見する検査です。それが「MCIスクリーニング検査」と呼ばれるものです。
MCIスクリーニング検査で、一体どのうように血液検査でアルツハイマー病を早期発見するのか紹介します。
開発者は、筑波大学医学医療系准教授 内田和彦先生の研究チームです。アルツハイマー病の予備軍である軽度認知障害(MCI)のリスクを血液の3つのタンパク質を調べて推定する方法です。どういういうことかというと、アルツハイマー病は、アミロイドβと呼ばれる脳内のゴミのようなタンパク質がたまることで発症すると言われています。
このアミロイドβをやっつけてくれる3つのタンパク質があることがわかったそうです。それが、食べてやっつける補体タンパク質、吸い取って血液中に追い出すアポリポタンパク質、毒性を防ぐトランスサイレチンです。アルツハイマー病の予備軍の人はこの3つのタンパク質の量が少ないんだそうです。そこでこの検査では、この3つのタンパク質の量を調べることでリスクを測定するというものなんだそうです。
リスクはA~Dの4段階で表示され、C、Dになるにつれアルツハイマー病の予備軍の可能性が高いというものです。
気になる精度ですが、ネットでは約8割の精度とありました。これってどんなものでしょう、よくわからないですね。
もし予備軍の可能性が高いと診断されても運動、脳トレ、音楽、料理などで認知機能がアップするそうで、悲観的になることがないということでした。とはいっても、実際C、Dを判定されたなら、やはりショックかと思います。
MCIスクリーニング検査の費用と実施病院は?
■MCIスクリーニング検査
7ccの血液を採取 費用は2~3万円(自己負担)2週間程度で判明
国内で実施している検査医療機関・病院リスト
mcbi.co.jp/initiative/search.php
共同開発の筑波大学発のベンチャー企業MCBI
mcbi.co.jp/
検査方法が詳しく書かれています。
まとめ・感想
MCIスクリーニング検査は既に実施されているんですね。残念ながら保険は適用されませんね。こういう検査こそ、保険適用にして多くの人が受けれるようにすれば、早期発見により発症が防げ、トータルで見れば医療費や介護費の削減につながるではないかと思ってしまうのですが、そういう風にはいかないものでしょうか。