テレビ朝日「たけしのみんなの家庭の医学」2月16日で、免疫力を高める方法について放送されましたので紹介したいと思います。今回、教えてくれる先生は、信州大学医学部 名誉教授 大橋俊夫先生と国際医療福祉大学教授 前田眞治先生です。
免疫力を高める方法
免疫細胞は、ウイルスや細菌などの外敵を撃退し体を守ってくれる細胞です。この免疫細胞の強さが免疫力で健康長寿の要だといいます。実はこの免疫細胞、ウイルスや細菌から守るだけではなく、がんからも守ってくれているんです。免疫細胞の中でも重要な細胞がナチュラルキラー細胞で通称NK細胞と呼ばれる細胞です。このNK細胞の力が免疫力とも言えるものだといいます。NK細胞の力を示すNK活性は、年と共に衰えてきます。つまり、年をとるとともにがんになる人が増えるのもこのNK活性が低くなるからだとも言われています。ではNK活性の衰えを防ぐことはできないものか。そこで今回、NK活性を上げる2つの方法が紹介されました。NK活性を上げるということは、つまり免疫力を高める方法です。
1.寝ながら腹式呼吸
寝ながら腹式呼吸は、信州大学医学部 名誉教授 大橋俊夫先生による免疫力を高める方法です。
先生によると免疫力の低下は、免疫細胞が休んでしまうことが原因の一つだといいます。この休んでしまったNK細胞をたたき起こす方法が寝ながら腹式呼吸です。
やり方
昼食を食べた2時間後に仰向けに横になり、20分間、腹式呼吸を行う。
手をおへそのあたりに置き、呼吸とともにお腹が上下するのを確認しながら行うこと。
<腹式呼吸のコツ>
(1) 鼻からゆっくり息を吸いお腹を膨らませる。
(2) 口からゆっくり息を吐く。
1分間に2~3回、1回約20秒で呼吸する。
横になることでリンパ液の流れが良くなります。これによりたんぱく質が大量に流れ込み休んでいたNK細胞が起きて働きだすといいます。
食後の2~3時間後がお腹にあるリンパ管の乳び槽が最も膨らみ、腹式呼吸によってここに腸からのリンパ液が流れ込みやすくなります。
2.深部体温を1度上げる入浴法
免疫力を上げるもう一つの方法が、国際医療福祉大学教授 前田眞治先生の入浴法です。
前田先生によると、免疫細胞は適度なストレスを与える活性化するといいます。その簡単な方法が入浴です。深部体温を1度ほど上げると熱がストレスとなり、免疫細胞が活性化するといいます。
やり方
(1) 41℃の湯船に15分間ほど肩までつかる。
(2) 深部体温が1℃上がった目安は額に汗がにじむこと。
検証実験
番組では検証実験として免疫力が低い方に今回の免疫力を高める方法を行ってもらいました。
一つ目の寝ながら腹式呼吸は3人の方に行ってもらいました。
免疫力はNK活性の値で検査しました。
■NK活性の値(基準値25)
開始前 | 3日間後 | |
---|---|---|
女性56歳 | 23 | 43(+20) |
男性71歳 | 20 | 30(+10) |
男性54歳 | 6 | 17(+11) |
たった3日間だけで免疫力がアップしました。2人の方は基準値を見事上回りました。
二つ目の体温を1度上げる入浴法は先ほどの2人の方に行ってもらいました。
■NK活性の値(基準値25)
開始前 | 翌日 | |
---|---|---|
男性71歳 | 30 | 43(+13) |
男性54歳 | 17 | 17(+0) |
1日だけだったので男性54歳の方は変わりませんでしたが、続ければ上がるといいます。
まとめ・感想
NK活性は、腹式呼吸や入浴で体温を上げるという簡単なことで上がるんですね。
腹式呼吸は、すぐにできるので、やってみようかと思います。でも、簡単に上がるということは、簡単に下がるのでしょうかね。
■免疫学の権威 奥村康先生のNK細胞についてのお話